女性の抜け毛にはさまざまな原因がありますが、その中でも「ホルモン」が関係しているケースが多くあります。抜け毛の原因となるホルモンは、「女性ホルモン」の場合と「男性ホルモン」の場合があります。その両サイドから、抜け毛の原因となる症状と改善する方法をご紹介していきましょう。
■女性ホルモンが抜け毛の原因になる場合
・妊娠中・出産の後
妊娠しているあいだの女性の体は、女性ホルモンが活発に分泌されています。本来ならこの女性ホルモンが抜け毛をうながすことはありませんが、過剰に分泌されるとホルモンのバランスが崩れて、髪の毛が生え変わる正常なサイクルを壊してしまうことがあります。出産の後も、分泌されていたホルモンが正常値に戻るまでホルモンが不安定な状態になり、抜け毛や薄毛が起こります。こういった症状は半年ほどで改善されるので、あまり思い悩まずにいることが大切です。もし半年を過ぎても改善が見られないときは、産婦人科の医師に相談をしてみましょう。
・卵巣系の病気
抜け毛の量が非常に多い場合は、卵巣の病気である卵巣嚢腫や多嚢胞性卵巣症候群である可能性が考えられます。卵巣の疾患により卵巣機能が低下して、女性ホルモンも減少します。やがてホルモンのバランスが乱れ始め、大量の抜け毛が起こります。抜け毛の症状としては、頭部の広い範囲で抜け毛が起こり全体的に髪が薄くなる兆候が見られます。そのほかで体に現れる症状は、不正出血、生理不順、めまい、動悸などがあります。大量の抜け毛がみられる時は、早めに婦人科を受診しましょう。
■男性ホルモンが抜け毛の原因になる場合
・女性男性型脱毛症・FAGA
女性の体には女性ホルモンはもちろんですが、男性ホルモンも存在していて、常に分泌されています。これから閉経を迎える女性や、閉経を終えた女性、または病気や一時的な体調不良により女性ホルモンの量が著しく減少してしまっている女性は、女性ホルモンが減ることで、男性ホルモンが相対的に多くなる状態になります。男性ホルモンが女性ホルモンと比べて相対的に増えることで、毛母細胞という頭部の細胞が影響を受け、薄毛や脱け毛の原因を作ります。このように、男性ホルモンが影響を及ぼして起こる抜け毛の症状を「女性男性型脱毛症・FAGA(以下、FAGA)」と呼びます。
・FAGAの改善方法
FAGAを改善するには、体内の女性ホルモンが減少している原因を突き止めることが大切です。一時的な体調不良が原因で女性ホルモンの分泌が少なくなりFAGAが起こっている場合は、休息を取る、体調を整えるなどの策をとることで改善が期待できます。閉経により女性ホルモンの分泌が低下してしまっている場合は、生活の改善だけで著しい効果を得ることは難しいようです。FAGAに詳しい医師への相談が、改善への近道になることでしょう。